脳死と癌とイチジク
 前を通ると独特の薫りがする。無花果だから、花は見えない。
 熟れるのが楽しみ。
 対面で感じる「死」の匂いがある。なんとも言えない嫌な臭いだ。
 対面でなくても感じる、好きじゃない匂いがある。嫌な予感というヤツが最近酷い...
 天台では脳死を死とは認めない。
 だが、事前に自らの意思で
 「脳死と認定されたら、私は臓器を提供します」
 という布施については否定しない。私も提供したいと考えている一人だ。
 昨晩、癌の告知を受けた方からの連絡があって、色々と考えることがあった。
 癌でなくとも、我々は生まれ落ちた瞬間から
 「いつかあなたは死にますよ!」
 と言われ続けているはずなのだが
 「今日生きていることへの感謝を常にしているのか?!」
 と尋ねられたら、恥ずかしながら、私は失格の側の人間かもしれない。
 もう少し精進してこよう。
 実を結ぶ為に花は咲くはずだ。
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